2010年7月21日水曜日

世界不況 

世界不況                         2009.2.6


アメリカ史上初めての黒人のオバマ氏が1月21日大統領に就任しました。

世界的経済不況の最中、世界のリーダーとしての期待を一身に集めています。

今の世界的な不況の主因は、アメリカ発のサブプライムローンに端を発していますが、公式にアメリカはその責任を明確にしていません。

 最近出版された、中谷巌著の「資本主義はなぜ自壊したか」を読みました。

著者が若い頃ハーバード大学の修士課程で経済学を学んだ。30年前のアメリカは、中流階級が多く、生活様式はユートピアを思わせるほど理想的で、そのような社会を構築できた理論は「民主主義、市場原理主義、グローバル資本主義」を基本とした極めて論理的な講義であったという。

氏はこの理論にかぶれ、日本に帰国して後、小渕内閣、森内閣、小泉内閣で「市場原理主義」の急先鋒として、日本経済を変革していった一人です。

 その彼が、今のアメリカや日本の状況を見たときに、「市場原理主義」「グローバル資本主義」に大きな欠陥があったとして、懺悔の気持ちを込めて上梓した本です。

欧米社会は基本的に階級社会で、かつ「市場原理主義」は知識があり強いものがより強くなり、弱いものは何時までも弱いままの社会で、貧富の格差は非常に大きくなっているようです。「市場原理主義」は強者の為の「ツール」であったと断言しています。

ローマ帝国がかつて、属国となったエリートの子息たちをローマに集め、豪華な暮らしと、制度の素晴らしさを体験させ、その国のファンにさせ、忠誠を求めたように、アメリカも各国の優秀な人材を自国の大学などで教育し、ファンを広げた。

 そうした経済理論が世界中に波及し、現在の世界的大恐慌を引き起こしてしまったと思われます。

市場原理主義やグローバル資本主義は、ごく一部の富裕層を生み出すことは出来ても、多くの国民を幸せにするものではない。このことは、この30年間のアメリカと日本を見れば一目瞭然です。

特に日本は「安全・安心・思いやり・希望」が失われてきたのではないでしょうか。

この度の世界不況に遭遇してようやく問題の本質を理解できるようになった気がします。

日本には「三方よし」、すなわち皆が幸せになれるように考える国民性が、経済や、地域、家族の幸せの原動力だったと思います。

 日本が高度成長する初期段階、団塊世代のマドンナである吉永小百合さん主演による、「キューポラのある街」などの映画が多く上映されました。その頃のテーマは、「清く、貧しく、美しく」だったように思います。

「たとえ貧しくても、希望を持って、正々堂々と、美しく生きていきましょう」というような作品が多かったように思います。

今、私たちも幸せとは何かを再考し、行動を変えていく時かも知れません。

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