弱肉強食 2009.4.10
自然界の法則では「弱肉強食」が当然のごとく息づいている。
これは、良質な遺伝子を子々孫々に残す、いわば種の保存の為の宿命ともいえる。
動物の世界では、個体での闘争で相手を倒してしまえば終わりで、それ以上の攻撃はしない。
その点人間同士の闘争は凄まじく、負ければ一族郎党皆殺しや奴隷として売られてきた。
カンボジアでは、未だに地雷で多くの子供たちが手足を失い、国民が貧困に喘いでいる。
高学歴の多くの市民が、ポルポトによって虐殺されことが、復興が進まない一因となっているという。独裁国家や、一部の大金持ちによる、政治介入。マフィアによる政治介入など、一部権力者による不当な国民への圧制が多くの国で起こっている。
日本では一部の企業が国会議員に贈賄したことなどが大きく報じられるが、世界の悪事の基準で考えればまだ可愛げがあるように思える。
国家権力を握ることは、大きな利権を確保することであり、その為にあらゆる方策を用いて権力者になろうとする。金と暴力と策略は不可欠の要素である。
日本の戦国時代では、覇者になろうとした武将たちは、常に一族の滅亡というリスクを抱えながら、他国との戦いや提携、裏切りなどを繰り返し、存続と繁栄を願って戦ってきた。
徳川政権でようやく一時の平和が訪れたが、明治以降昭和20年まで、また戦争が繰り返された。今の日本の平和国家は自他共に認められるが、まだ65年しか経っていない。
しかしながら多くの国民は戦争など起こるはずも無いと思っているが、果たしてそうだろうか。
「こちらが仕掛けなければ戦争にはならない」という理屈は歴史上からも成り立たない。
戦争を起こさせるための罠や仕掛けなど簡単に出来る。「こちらに非はないが、座して死を待つくらいなら、戦争に打って出るしかない」という話は、これまでいくらでもあった。
日本のように機密に鈍感な国は、CIAなどプロの謀略を持って仕掛けられれば、簡単に民意を操作できるに違いない。
アメリカやロシア、中国など各国の情報機関が暗躍し、多くの国の紛争を引き起こしている。まさに、国家間の弱肉強食は絶えることなく続いているのが現実だ。
アメリカは今後当面衰退し、替わってBRICSが台頭し新たな政治、経済地図が出来るといわれる。国家間の闘争が、更に熾烈になる傾向にある。
日本には、高い技術、誠実な国民性、他国に無い文化など世界に誇れる財産がある。
自立したアジアの一国として、世界が一目置くような言動をすべきで、何時までもアメリカの核の傘を当てにしていては、世界の国から二等国扱いされるだけだと思う。
日本が世界に向って、人間社会は自然界の弱肉強食型の国家競争ではなく、「地球人として、それぞれの国民が幸せに平和に暮らせる国家を目指す」ことに範を示すべきだ。
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