2010年7月20日火曜日

抵抗  

抵抗                    2007.10.5


ミャンマーの混乱が報道されている。僧侶や市民からインフレや政治に対する不満が噴出している。英雄アウンサウン将軍の娘アウンサンスーチーが国民民主連盟を結成し、選挙は大勝利に終わったにもかかわらず、軍事政権が選挙結果を無視し、1989年以来アウンサンスーチーを自宅軟禁状態に置き、民主化の勢いを完全に止めました。

 ミャンマーは昔ビルマといわれ、私が中学生の頃ビルマの竪琴という本が有名になりビルマという国に対し興味を持ちました。敬虔な仏教徒が大半を占め、僧侶は尊敬の対象で、カーキ色の粗末な法衣は、仏教本来の修行僧の装いである。ミャンマー人は農業・林業を主体とした経済で、非常に温和な国民だと言われています。

天然資源が豊富なため、これまでにイギリスやインドなどの植民地となり辛酸をなめてきています。1948年にビルマ連邦として独立したものの、国内の内紛が続いており、現在に至っています。中国や日本がこれまで軍政権との関係を保ってきたのも、天然資源の魅力があるからで、その結果国民はますます民主化から遠ざかってきました。

 ようやく日本はODAによる支援を中断するとの決定を行ったが、後味が悪い。

北朝鮮にしろ、ミャンマーにしろおよそ軍人政権下にある国民が幸せになったことはない。嘗ての日本がそうであったように、軍人政治の怖さは、思想の自由、発言の自由

行動の自由を完全に奪うことにあります。

 会議においても、威勢のいい意見を良しとし、消極的または懐柔的意見は弱腰と軽蔑する。意見の相違を認めず、必要なら抹殺するという方程式で、冷静な判断のできる政治とはとてもいえない。為政者による為政者のための政治です。

このような政治形態がいつまでも続くとは思えませんが、その間の国民は悲惨な状態にあります。日本も目先の利益に走るのではなく、国家としてまさに品格のある対応が望まれます。

 私たち一人ひとりは無力に等しいが、正しいことやあるべき姿を明確に持って発言・行動することで何かを変えることができる。キング牧師の人種差別への抵抗や、ガンジーの非暴力による抗議デモなどはつとに有名です。

理念を明確にし発言・行動することで、多くの共感者ができ、それがエネルギーとなって、世論を呼び起こし、世の中を変えたことは、先人達が歴史で示しています。

 その中心にある人の資質は、清貧、誠実、公正、勇気の持ち主のように思えます。

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