2010年7月20日火曜日

読書 

読書                   2005.9.16


 天高く馬肥ゆる秋、食欲の秋、読書の秋、などといわれ10月から11月にかけての気候は日本で最も良い季節です。この季節は、何といっても自然を満喫しに外にどんどん出て行くのが良いのではないでしょうか。読書はもう少し寒くなって外に出るのが億劫になる冬場のほうが良いと思います。

 私の趣味の一つは読書ですが、読書家といわれるほどのものではとてもありません。

せいぜい月に3、4冊程度ですから本当に趣味程度です。本を読むことに興味を覚えたのは、本格的には高校生の頃です。友達に本屋の息子がおり、当時発禁本といわれていた、金瓶梅やセクサスなどを何故か試験前に持ってきて、面白いから読んでみろといわれ、徹夜で読んで試験の最中寝てしまったことなどが思い出されます。

 田舎で育ったせいもあり本当に何も知らない高校生でしたので、本屋の立ち読みほど多くの知識を貰ったところはありません。実にお恥ずかしい話ですが、子供がどうして出来るのか確信できたのはこの頃で、今思えば本当に知恵遅れでした。

 高校生のときに感動し涙が止まらなかった本は、ナポレオン伝記でした。なぜあれほど感動したのかわかりませんが、そのことだけは覚えています。高校の頃は少しませた本を読んでいたように思います。主に外国文学です。ただ読んでいて何となく心に響かないものがありました。当時は気づかなかったのですが、やはり時代背景や習慣、文化など全体的な知識が十分に理解できていなかったからだと思います。大学生になり日本文学を主に読むようになりなした。森鴎外、芥川龍之介、夏目漱石、武者小路実篤など有名作家が中心ですが太宰治の作品はどうしても好きになれませんでした。

 その中で何といっても司馬遼太郎の小説を一番多く読みました、100篇以上は上梓されていると思いますが、恐らく7割以上読んでいると思います。時代背景と主人公の特徴ある描写がわかりやすく、ドラマチックな劇画を見るような小説でとても面白いです。また、多くのエッセイもあり魅力的な作家です。

 大學4年生のとき三島由紀夫が、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で楯の会の同士数人と駐屯地を占拠し、国民に向かってメッセージを発した後、割腹自殺を図ったニュースが飛び込み驚きました。実際三島は、古式に則り切腹を行ったようです。本来の切腹の作法は、お腹を軽く割き,介錯によって首をはねて絶命させるのですが、三島の場合、余りにも深く切り裂いたため、首が早く折れたためあわてた隊員が何度も首に切り傷を残したようです。三島といえばナルシストで金閣寺や潮騒などに代表されるように、どちらかといえば女性的な作家と思っていたので、このようなことをする人とは思いもしませんでした。

三島の遺稿となった、春の雪、奔馬、五人天衣、豊饒の海は4部作で輪廻転生を描いたものですが、テーマは「無常」だったように思います。三島は日本人としてのアイデンティテーや尊厳がスポイルされていくような虚無感に襲われていたように思います。

 剣道の達人であり、ボディビルダーであり、あらゆることに挑戦し一流になっています。

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