働き甲斐 2008.3.5
プロ野球選手のような、非常にストイックな練習や生活をしないと一流であり続けることは出来ない、厳しい職業もあります。しかしながら、私たちのように30数年間無事に、仕事をし続ける長期の職業は、それなりの人生設計が大事だと思います。
「仕事が生きがい」と言い切れる人はそれほど多くは無いと思います。それよりも私は、日々の仕事に向かう時に、「さあ今日も頑張るぞ」とか「何とかこの問題を片付けよう」といった、前向きな気持ちが維持できるようにすべきだと思います。健康面と共に友人・仲間達や家庭など勇気付けてくれる人たちを大切するように心がけましょう。
24歳の頃、私の仕事仲間で友人だった人は、残業するのは自分の美学に合わないといって憚らない人で、本当に5時になると「さあ飲みに行くぞ」となり、私もそれに付き合っていました。実際多くの友人が出来、本当に良かったと思っています。仕事が楽だったわけでは決してありません。5時までに如何に終わらせるかということで、時間内は必死で集中していたと思います。当然それでも出来ないことがあれば、飲んで帰ってそれから仕事ということもありました。
当時、最も勉強させていただいたところが、三菱電機でした。非常に厳しい課長さんの下、徹底的にしごかれました。その数年間が、私の技術者としてのバックボーンになり、その後多くのプロジェクトマネージャなどを行いましたが、特段の問題もなく完成することができました。当時は非常に辛い思いをしましたが、恩人だと感謝しています。
PMなどメンバーを指導する立場の人は、少なくともどのようにメンバーを成長させるかという目標設定が必要です。これは個人目標とは別物で、指導目標です。
この人をこのプロジェクトではXXをどのくらいの品質・生産性まで出来るようにする。といった具体的目標値で指導すると、結果が明確になり、本人自身の成長が目に見えモチベーションを高めることが出来ます。
特に1~2年生は、自分自身の能力・適正はほとんど白紙状態ですから、自身の能力の基準がわかるようになり、自ら自信を持って計画できるようになります。
またメンバー全員が互いの作業負荷状況を共有し、ある程度公平に分担され、各人がスケジュールに対し明確な責任を意識しているという状況を作り出すことが大切です。スケジュールにおいては、大日程からくるブレークダウンと同時に、各人からの作業項目に対する本人からの目標申告を受け、その目標が本人の能力・経験と照らして妥当かのチェックが非常に重要です。往々にして誰しもリスクを多めに設定し計画を延ばす傾向になりがちですので、他者との比較やリスクに対する最善の回避策等を事前に本人と打ち合わせることで、納得させることも可能です。基本は120%の力を発揮させる「場」作りです。互いに競い合いながら、成長を実感させることが指導者の役割です。120%の目標を目指し、その結果達成できれば、生産性は20%向上したことになります。
社員が仕事を通して成長し、評価されることは、働き甲斐を醸成する基本です。企業理念の「情熱と感動を共有する企業を目指す」を念頭に、10年後メンバーから「あの時に厳しく指導されたお陰です」という御礼が言ってもらえるとうれしいですね。
つづく
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