2010年7月21日水曜日

市場原理主義

市場原理主義                    2010.5.25


2001年~2006年の小泉政権の中で、竹中平蔵金融相が打ち出した、規制緩和や新自由主義は、アメリカシカゴ大学のミルトン・フリードマンの提唱する、市場原理主義が原点です。

 そもそも、アメリカ人特に共和党は、強烈なパックス・アメリカーナすなわち、アメリカの覇権主義による世界平和という理想を持っています。

アメリカ人の考える自由や価値観が、世界に平和をもたらすという、狂信的思想です。

イラクなどイスラム諸国の価値観など一顧だにしません。

勿論、中国もロシアも同じような覇権主義で、近隣の国家が武力で蹂躙されています。

ノーベル経済学賞まで取ったフリードマンは、レーガン政権以降アメリカ経済・金融政策の中心的役割で、「市場原理主義」という価値観での世界制覇を目指しました。

 その結果、2008年9月のリーマンショックによる世界大不況まで引き起こしたのです。経済学というアカデミックな学問を実社会で実践しました。錬金術ということで考えれば、絶大な効果があったのです。しかしながら、社会に与えた弊害は想像を超えています。アメリカや日本の貧富の格差は世界のトップクラスです。

お金に換算できない、文化や自然環境などは価値を持たない。という考え方です。

お金を持たない貧困層は、自助努力しなかったことによる当然の結果のようにもいいます。

アメリカに習い、日本でも小学生から株取引の学習をしようという動きもありました。

貯蓄は美徳ではない、投資に回して稼ぎましょうと鼓舞しました。

 お金を追求しお金持ちになれば、本当に幸せになれるのでしょうか?

自然を破壊し、世界の文化や習慣を考慮せず、効率的な社会を築くことが、未来の子供たちの幸せに繋がるでしょうか? 

経済評論家の内橋克人氏が述べていますが、戦後アメリカが行った日本に対する政策の一つに、過剰な農産物を日本に売りつけるための施策として、1986年のGATウルグアイラウンドがあります。これにより日本の農林業は大打撃を受け、いまや瀕死の状態です。また、1989年にパパ・ブッシュ大統領と宇野首相の間で、「日米構造協議」が行われ「新貿易法スーパー301条」を制定しました。

法案の一つに、日本のGNPの10%を公共投資にあて、しかもその公共投資は、決して日本経済の生産性を上げる為に使ってはいけない、という信じられない要求がありました。それを受けて、海部政権では、10年間で430兆円を浪費しました。また、これでは不十分だとして、1994年には、更に200兆円が追加され、合計630兆円の公共投資は、経済生産性を高めないような投資にまわすことを、政府として約束したのです。

 日米安保条約の下、日本の安全をアメリカが担うとなっていますが、上記のように日本はほとんどアメリカの植民地に等しい扱いです。

民主党の鳩山政権も迷走していますが、戦後65年を期にアメリカ依存から脱却し、日本の今後の国家ビジョンを明確にし、自立した国家を実現してほしいものです。

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