自己実現 2007.12.5.
「生徒の学習到達度調査」(PISA)とは、OECD57カ国の義務教育段階で学んだ知識を実生活で活用する能力を評価するテストというのがあります
日本からは約6千人の15歳の学生を、また全体で40万人を対象に行ったテスト結果が出ていました。
数学的応用力は、3年前の前回6位から10位へ。科学的応用力は2位から6位。読解力は14位から15位へと下降しており、6年前には数学的応用力は1位、科学的応用力2位、読解力7位といずれも世界のトップレベルにあったが、相対的に著しく下落してきている。
文部省のゆとり教育の弊害だとか、学校の荒廃だとか、テレビの悪影響だとか色々な原因を詮索してもはじまらない。
資源のない小さな島国の日本が、戦後の荒廃から今日の経済的発展を遂げてこられたのも、勤勉さをベースに科学技術や物づくりに懸命に努力した賜物ではないかと思います。
現在は物が溢れ、物質的な欲求は薄くなり社会全体で見れば安定した良い国であることは間違いないと思いますが、その結果子供たちに、将来への夢や欲求が描けず、勉強への興味が薄れてきてしまっているのでしょうか?
アメリカの心理学者・アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化した、「マズローの欲求5段階説」があります。
現在の日本状況をみると、生理的欲求、安全の欲求、親和の欲求あたりで満足し、人間だけが持ち得る、第5段階の「自己実現」への欲求に対する熱望が本当にあるのかと思われてきます。
何不自由なく暮らせることはとても幸福なことで、そのような国や家庭に恵まれたことは本当に感謝すべきことです。幸せな暮らしを子々孫々守っていくことは、私たちの義務でもあります。ただ、折角この世に生を受け、多くの可能性を実現できる環境にありながら、その可能性にチャレンジしないことは、人生を無為に過ごすことにならないでしょうか?
世界中を見渡しても、また歴史を振り返っても、今の私たちの環境は非常に恵まれていると思います。このようなチャンスを与えられている国民は多くありません。
私たちが今子供たちに伝えなければならないことは、私たち自身の生き様ではないでしょうか。
子供は親や社会を鏡として成長します。私たちの生き方、考え方が正しければ次の世代もきっと生き生きとした良い方向に向かうに違いありません。
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