2010年7月20日火曜日

価格

価格                             2008.4.1


市場経済において商品やサービスの価格は、消費者が商品そのものの価値と需給量の関係から妥当と思われる価格にいずれ修練していきます。

当社では、人件費や諸経費を含め総経費を予測し、利益を0と仮定したときの、必要最低限の単価(ローディング)を設定し、これに利益分を乗せた売上単価を設定しています。

この売上単価は、先の価格(顧客から見た価値)とは全く異なり、顧客にとっては妥当性があるとはいえません。

 価格はあくまでも、顧客が費用として納得できる範囲でなければ、ビジネスとして継続することはできません。トヨタなど製造業は、「改善・改革」による品質向上と生産性向上への血のにじむような企業努力で、世界の競合会社に打ち勝ってきています。

我々、ソフトウエア産業界は、その意味ではまだまだ、「改善・改革」が不十分なのではないでしょうか。

 当社は、見積もり基準がない(または人により異なる)、生産性の基準となるメジャーが無い、品質の確認基準が不明確など、多くの点で基準がありません。

見積もりは、当社内においては誰が見積っても同じになるように、ひとつの基準をまず設定しましょう。機能数や画面数、帳票数などを基準にベースの見積もりを行い、その次にリスクの基準(顧客対応、難易度、資料の完成度、環境等)を設定します。また、開発リスクとして(作業場所、要員スキル、スケジュール等)を明確にし、それぞれのリスク係数を明示することで、受注前の状況把握を正確に行えると思います。

失敗プロジェクトにありがちな、こんなXXとは思わなかったという事態に陥らないように、極力種々の危惧を取り払うようにしたいと思います。

 基準の設定は、まずは「おおよそ」で構いません。その結果をフィードバックし、基準の精度を上げていけば構わないと思っています。技術も、営業もまずこの基準をベースに見積るようにしていただきたいと思います。

 当社のように、社内での受託開発の多い事業の場合、生産性を上げることと、非稼動数を無くすことが最大の利益改善になります。非稼動数が1工数あれば、平均55万の利益毀損になりますので、それを埋め合わせる為には、270万の売上が必要で約4.人月のプロジェクトを立ち上げ20%の利益を確保しなければなりません。要は一人遊べば4人がかりで埋め合わせしなければならないことになります。

非稼動工数を0にすることは案件と技術者の最適配置が必要で、当社が毎年安定的に収益を出せていない理由が、この非稼動工数の撲滅が出来ていないことにあります。

一方非稼動を出さないように案件数を増やし、マルチ作業を増やすと、社員の疲労や品質低下がおこり、結果的にマイナスプロジェクトになるケースもありました。

年度計画において、非稼動工数をある程度予見して、その分各プロジェクトで生産性を向上させながら市場価格を目指すしかありません。市場価格より高くても顧客が納得するのは、企業としての信用力にほかなりません。日々の活動や対応に対し信頼があれば、付加価値として活用することもできます。顧客満足こそ最大の利益創出の原点です。                                                                    

つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿